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コラム

ミニマム開業とは?メリット・デメリットと成功のポイントを解説

目次

クリニックの新規開業で「ミニマム開業」という選択肢が注目を集めています。初期投資や人件費・設備費を極力抑えることで、従来の大規模開業に比べてリスクを最小限にしつつ、医師自身の理想やライフスタイルに合わせた診療が可能になる点が大きな魅力です。

この記事では、ミニマム開業のメリット・デメリット、そして成功のために押さえておきたいポイントを解説します。

ミニマム開業とは

クリニックのミニマム開業とは、初期投資や人件費、設備のコストを極力抑え、必要最低限の資金・人員・機器で始める開業手法です。

従来のクリニック開業では、物件取得・医療機器導入・複数スタッフ雇用など高額な費用がかかっておりました。一方ミニマム開業では、小規模テナントを活用し、医師一人と最少人数のスタッフで運営するため、家賃や人件費の負担を大幅に削減できます。

近年では、初期費用や経営リスクを抑えて現実的に開業したい方や、ワークライフバランスを重視した働き方をしたい方を中心にミニマム開業が注目されています。

ミニマム開業のメリット

ここでは、ミニマム開業のメリットを紹介します。

開業・運営コストを大幅に抑えられる

ミニマム開業のメリットは、初期投資やランニングコストを大幅に抑えられることです。

従来のクリニック開業では、広いスペースや充実した医療機器、複数のスタッフの雇用などに多額の資金が必要でしたが、ミニマム開業では小規模なテナントや必要最低限の設備だけでスタートできるため、開業時の負担を大幅に減らすことができます。スタッフも必要最小限で済むので、給与や社会保険料などの負担も軽減され、少ない売上でも黒字化しやすい体制を構築できます。

その結果、多額の融資を必要とせず、経営リスクを抑えながら安定した運営が可能になります。

ワークライフバランスを重視した働き方が叶う

ワークライフバランスを重視した働き方が叶うことも、ミニマム開業の大きなメリットです。

従来のクリニック勤務では、医師が長時間労働に追われるケースが多く、働き方の自由度が低いことや、家庭やプライベートと両立しにくい状況が課題とされてきました。しかし、ミニマム開業なら開業医自身が診療時間や勤務日数を自由に設定できるため、自分のペースで無理なく働くことができます。

実際に、週3日午前中だけ診療を行い、子育ての時間を確保しながらクリニック運営を続けている医師も存在します。このような時短開業は、家庭やプライベートの時間を大切にしながら無理なく医師として働ける開業方法として人気です。

ミニマム開業のデメリット

ミニマム開業には多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットも存在します。

収益や患者数の上限が低い

ミニマム開業は、規模や運営資源が限られていることから、収益や患者数の上限が低くなる傾向があります。

小規模なクリニックでは診療スペースや待合室が限られるため、多くの患者を一度に受け入れることが難しく、結果として診療数や収入が頭打ちになりやすくなります。特に診療時間を短縮したり、少人数のスタッフ体制で運営している場合、ピーク時の患者対応や増患施策にも限界が生じます。

事業拡大を視野に入れている場合は、将来的な移転や増床を計画に組み込む必要があるでしょう。

設備やサービスの制約が多い

設備やサービスの制約が多いことも大きなデメリットです。

ミニマム開業ではコスト抑制を重視するため、導入できる医療機器や診療科目、提供できるサービス内容が限定的になります。例えば、レントゲン装置やCTスキャンなどの大型機器を設置するスペースがない場合、画像診断が必要な患者は他の医療機関に紹介せざるを得ません。

また、スタッフ数が限られているため、提供できるサービスの幅も制限されます。看護師がいない場合、点滴や注射などの処置を医師が全て行う必要があり、診療効率が低下する可能性もございます。予防接種や健康診断などの予約制診療を充実させることも難しく、収益源の多様化が図りにくいという側面もあります。

ミニマム開業を成功させるには



最後に、ミニマム開業を成功させるポイントについてみていきましょう。

「抑えるべきコスト」を取捨選択する

ミニマム開業では、削減すべきコストと投資すべき部分を明確に区別することが成功の鍵となります。全てのコストを一律に削減するのではなく、診療の質と経営効率のバランスを考慮した判断が必要です。

例えば、以下のような工夫が効果的です。

  • 本当に必要な機器や備品だけを優先して導入し、まだ使用頻度が低いものや高額なものは後から追加する(自動釣り銭機や医療機器)

  • 人件費を抑えるため、必要最低限のスタッフ体制から始め、院内業務は医師と受付担当で対応する

  • 備品調達では新品にこだわらず中古品や譲り受けた物も積極的に活用して、無駄な支出を避ける(院内に設置する家具をインターネットで安価なものとする等)

このように、開業当初は最小限の機器や人員でスタートし、患者数や診療内容の拡大に応じて徐々に設備・スタッフを増やしていくことで、開業当初の赤字リスクを抑えることができます。

クリニック運営にふさわしい立地を選ぶ

ミニマム開業に限ったお話ではないですが、クリニックの開業においては立地選定が何よりも大切です。

駅近や住宅街など、患者様が通いやすい場所を選定することで、限られた診療時間でも安定した患者数を確保できます。一方で、賃料とのバランスも考慮する必要があり、コンパクトな物件でも十分な集患が見込める立地を見極めることが安定経営のためのポイントです。

開業前には診療圏調査を実施し、近隣住民の年齢層や人口動態、競合クリニックの有無なども分析して判断することが成功につながります。

関連記事:クリニック開業の立地選びのポイント|エリア別・物件別のメリット・デメリットも解説

機能性を最優先した内装設計を行う

ミニマム開業では、最小限の内装工事を希望する医師の方も少なくありません。しかし、開業後の運営コストを削減するためには、開業時に機能性を最優先した内装設計を行うことをおすすめします。

特に小規模なクリニックの場合、限られたスペースを最大限に生かせるよう、診察室や待合室、受付の配置と動線計画をしっかり立てておくことで業務効率が向上します。動線が合理的であれば、少人数でも業務がスムーズになり、人件費を抑えながら質の高い診療を実現することができます。

関連記事:クリニック内装デザイン・設計のポイント|流れや費用相場についても解説

まとめ

ミニマム開業は、初期投資を抑えながら、医師のライフスタイルに合わせた柔軟な診療を実現できる開業スタイルです。特に子育てとの両立を目指す医師や、自分のペースで診療を行いたい医師にとっては、理想的な選択肢となり得ます。

自身の診療理念と将来展望を明確にしたうえで、ミニマム開業という選択肢を検討することをおすすめします。

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