どれほど質の高い医療サービスを提供していても、患者様に存在を知ってもらえなければ来院にはつながりません。そのため、集患はクリニック経営の安定に直結する重要な要素といえます。
本記事では、オンライン・オフライン両面から実践できる集患施策8選と、その具体的なポイントを詳しく解説します。
クリニックの集患に効果的なオンライン施策
患者様の多くがインターネットで医療機関を検索する時代において、Web上での存在感を高めることは、新規患者獲得の重要な鍵となります。ここでは、クリニックの集患に効果的なオンライン施策をみていきましょう。
ホームページの最適化
クリニックのホームページは、いわば「オンライン上の顔」であり、患者様が最初に目にする場所です。ホームページが未整備であったり、情報が古いまま放置されていると、患者様は不安や不信感を抱き、他院へ流れてしまうリスクが高まります。
まずは診療科目や診療時間、アクセス方法、医師やスタッフの紹介など、患者様が知りたい情報を分かりやすく掲載し、常に最新の状態に保つことを心がけましょう。
そのほか、以下のようなポイントを押さえておくことも大切です。
スマートフォンからのアクセスにも対応できるようレスポンシブデザインを導入する
ホームページの上部や下部に予約ボタンを固定表示する、各ページの最後に予約やアクセス情報を配置する、電話番号をタップして電話をかけられるようにするなど、予約導線を明確化する
LINEやWeb予約システムと連携させ、利便性を高める
SEO・MEO
SEO(検索エンジン最適化)は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでクリニックのホームページが上位に表示されるようにする施策です。患者様は「地域名+クリニック」「症状+診療科」などで検索することが多いため、これらのキーワードを意識したコンテンツ作成を行いましょう。
一方、MEO(Map Engine Optimization)はGoogleマップなど地図検索での上位表示を目指す施策です。Googleビジネスプロフィールにクリニックの正確な情報(名称、住所、電話番号、診療時間など)を登録し、定期的に更新することが基本となります。患者様からの口コミや評価もMEOの順位に大きく影響するため、口コミには丁寧に返信し、良い評価を集める努力も欠かせません。
SEOとMEOは相互に影響し合うため、両者をバランスよく強化することが集患の近道となります。
SNS運用
SNSの強みは、ホームページや広告では伝わりにくい「院内の雰囲気」「医師・スタッフの人柄」を写真や動画でわかりやすく伝えられることです。初めてクリニックを利用する患者様は「どんなところなのか」と不安を感じがちですが、SNSを通じて院内の様子やドクターの顔を事前に知ることで、安心して来院しやすくなります。
また、診療内容や健康情報、季節ごとの予防医療など、患者様の生活に役立つ情報を定期的に発信することで、クリニックの専門性や信頼性をアピールすることも可能です。実際、こうした投稿がシェアされることで認知度が高まり、「SNSで見たから来院した」という新規患者様の増加につながった事例も多く報告されています。
ただしSNSは拡散力が高い反面、誤った情報や不適切な対応がマイナスイメージに繋がるリスクもあるため、運用ルールを明確に定めておくと安心です。
Web広告の活用
Web広告は、短期間で多くの患者様にクリニックを知ってもらいたい場合に有効な施策です。リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などを活用することで、ターゲットとなる地域や年齢層、興味関心に合わせた訴求を行えます。
例えばリスティング広告では「地域名+診療科」など具体的なキーワードで広告を出稿することで、受診意欲の高い患者様を効率的に集めることが可能です。以下にWeb広告の一例をまとめました。
広告種類 | 特徴 |
リスティング広告 |
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ディスプレイ広告 |
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SNS広告 |
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動画広告 |
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Web広告は費用対効果を細かく分析できるため、広告の内容やターゲット設定を柔軟に見直しながら運用することもできます。ホームページやSNS、MEOと組み合わせて活用することで、より高い集患効果が期待できるでしょう。
クリニックの集患に効果的なオフライン施策
デジタル施策が主流となりつつある現代ですが、地域密着型のクリニックにとってオフライン施策は今なお高い集患効果を発揮します。特に新規開業時には、地域住民にクリニックの存在を知ってもらい、信頼関係を築くことが重要です。
ここでは、集患に効果的なオフライン施策についてみていきましょう。
看板・街頭広告
クリニックの看板や街頭広告は、地域住民に自院の存在を印象づけるための施策です。看板は単なる案内表示ではなく、患者様がクリニックを選ぶ際の「きっかけ」となります。
設置場所はクリニックの敷地内だけでなく、駅前や交差点、バス停付近、繁華街など人通りの多い場所も検討しましょう。特に新規開業の場合は、近隣住民が普段から目にする生活動線上への設置が効果的です。
チラシ・ポスティング
新規開業時や新しいサービスの開始時には、チラシによる告知が効果的です。配布するチラシは、クリニックの特徴や強み、診療内容、アクセス情報、地図、院長やスタッフの写真など、初めての方でも安心して来院できるような内容にしましょう。
配布エリアについては、競合クリニックが少ない地域や新興住宅地など、狙いたい患者層が多いエリアを選ぶことが重要です。配布後は反響を確認し、内容やエリアを見直しながら継続的に改善していくことが成果につながります。
内覧会・セミナー
内覧会やセミナーの開催は、クリニックと地域住民との距離を縮め、信頼関係を築くのに効果的です。
特に新規開業時の内覧会や見学会は、地域の方に実際に院内を体感してもらい、病院に来るハードルを下げることができる貴重な機会です。受診しない状態でクリニックに来られる機会は他になく、患者様にとって大きなメリットとなります。また、ドクターを直接知ることができ、どのような人柄の医師なのかを理解してもらえる場でもあります。
開業後も健康相談会や医療講演、季節ごとの予防接種など、地域のニーズに合わせたイベントを企画すると良いでしょう。実際に院内を見学してもらうことで安心感が生まれ、来院への心理的ハードルが下がります。
紹介制度の導入
紹介制度は、既存の患者様から新規患者様を紹介してもらう仕組みです。例えば美容皮膚科や矯正歯科など、自由診療系のクリニックで積極的に活用されています。
紹介制度を導入する際は、紹介カードやチラシ、院内ポスターなどで制度の存在を周知し、紹介者・被紹介者の双方に特典を用意することで、紹介のハードルを下げられます。最近では、LINEやSNSを活用したデジタル紹介キャンペーンも増えているため、患者様が気軽に紹介できる仕組みを整えることが重要です。
まとめ
新規開業のクリニックが安定した経営を実現するためには、戦略的な集患施策の実践が欠かせません。まずは自院のターゲット層を明確にし、地域の医療ニーズや競合状況を丁寧に調査することが、集患戦略の第一歩となるでしょう。
そして、集患施策を最大限に活かすためには、クリニックの内装や空間づくりも大きな役割を果たします。クリニックのブランディングや差別化を図るうえでも、内装の質は集患力に直結する重要なポイントです。
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