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コラム

開業医とは?勤務医との違いやメリット・デメリットについて解説

目次

医師のキャリアを考えるうえで、「開業医」と「勤務医」という2つの選択肢は大きな分岐点となります。それぞれの働き方には特徴があり、収入面、働き方、責任の範囲などさまざまな違いが存在するのが実情です。

本記事では、開業医と勤務医の具体的な違いを解説していきます。開業を検討している勤務医の方や、医師としてのキャリアパスに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

開業医とは

開業医とは、自ら医療機関を開設し、経営者として診療を行う医師のことです。自分で場所を選んで医院を一から立ち上げる「新規開業」と、親族や他の医師から医院を引き継ぐ「承継開業」という、主に2つの方法があります。個人で診療所やクリニックを運営する場合が一般的ですが、医療法人を設立して運営するケースもあります。

厚生労働省「令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、2020年時点で開業医の割合は全医師の約4分の1を占めており、「独立して自分のクリニックを持つ」という選択肢が現実的なキャリアパスとして確立されているのが現状です。







  ※参考:厚生労働省「令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計

開業医と勤務医の違い

開業医と勤務医には、働き方や収入、責任の範囲など、さまざまな面で大きな違いがあります。ここでは、年収・収入面、労働時間・働き方、責任と裁量という3つの観点から、両者の違いをみていきましょう。

年収・収入面での違い

開業医と勤務医の最も顕著な違いが年収・収入面です。

2023年度に厚生労働省が実施した「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」では、病院勤務医の平均年収は約1,461万円、開業医の平均年収は約2,631万円となっていることから、開業医の平均年収は勤務医よりも高い傾向にあることが分かります。

ただし、勤務医は安定した給与が保証されていますが、開業医の収入は患者数や診療報酬改定の影響を受けやすく、特に開業初期は赤字になるケースもあります。

労働時間・働き方の違い

労働時間においても、開業医と勤務医では大きな違いがあります。

開業医は診療時間を自分で設定できるため、ある程度自由な働き方が可能です。休診日や診療時間を自分のライフスタイルに合わせて調整できます。

一方、勤務医の場合は病院の勤務体系に従う必要があり、当直業務や休日出勤、緊急呼び出しなどが発生することが一般的です。ただし、開業医も経営者としての業務があるため、診療時間外でも経営管理や事務作業に時間を割く必要があります。

責任と裁量の違い

開業医と勤務医では、負う責任の範囲と持つ裁量の大きさに明確な違いがあります。

開業医は経営者として、医療機関の運営に関するすべての責任を負います。医療事故への対応、スタッフの雇用管理、経営判断など、あらゆる面で最終的な責任者となる一方、診療方針や経営戦略、設備投資など、すべてを自分の判断で決定できる大きな裁量を持っています。

勤務医は医療行為に関する責任は負いますが、経営面での責任はありません。病院の方針に従って診療を行う必要があり自由度は限定的ですが、経営リスクを負わずに医療に専念できるという利点があります。

開業医のメリット

開業医として働くことには、勤務医にはない多くのメリットがあります。ここでは、代表的な3つのメリットについて詳しく解説します。

働き方の自由度が高い

開業医の最大のメリットは、働き方の自由度の高さです。

例えば午前中のみの診療にして午後は研究活動に充てたり、週4日診療にして3日休みにしたりと、自分のライフスタイルに合わせた働き方を実現できます。家族との時間を大切にしたい医師や、趣味に時間を割きたい医師にとって、この自由度は大きな魅力となるでしょう。

また、診療内容についても自由に決めることができ、得意分野に特化した専門クリニックを開設することも可能です。設備投資や新しい治療法の導入も自分の判断で行えるため、理想とする医療を実現しやすい環境といえます。

高収入を得られる可能性がある

開業医のもう一つのメリットは、高収入を得られる可能性があることです。経営がうまくいけば、勤務医時代を大きく上回る収入を得ることができます。

特に、美容外科や自由診療を中心とした診療科では高額な収入を得やすい傾向にあり、保険診療のクリニックでも美容点滴などの自由診療を取り入れて提供する開業医も多く存在します。さらに、開業後に医療法人化することで、税制面での優遇措置を受けることも可能です。

努力が直接収入に反映されることは、モチベーションの維持にもつながるでしょう。

定年なく働き続けられる

開業医には定年がないことも大きなメリットの一つです。

勤務医の場合、多くの病院で60歳から65歳で定年を迎えますが、開業医は70歳、80歳になっても現役で働くことができます。生涯現役で働けることは、経済的な安定だけでなく、生きがいの面でもポジティブな影響をもたらすでしょう。

後継者がいる場合は、徐々に診療を引き継ぎながら、無理のないペースで働き続けることも可能です。定年後も医師として活躍したいと考える方にとって、開業医は魅力的な選択肢となっています。

開業医のデメリット

開業医として働くことには多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。ここでは、開業医が直面する3つのデメリットについてみていきましょう。

経営リスクと責任を負う

開業医の最大のデメリットは、経営リスクを全面的に負うことです。

クリニックの開業には一般的に5,000万円から1億円程度の資金が必要とされ、多くの場合、金融機関からの借入を行います。この借入金の返済責任は個人に帰属し、経営が悪化した場合でも返済義務は残ります。

医療事故が発生した場合の責任もすべて開業医が負うことになり、スタッフの雇用に関する労務トラブルや患者様とのトラブルへの対応も最終的には開業医の責任です。最悪の場合、廃業に追い込まれる可能性もあり、経営者としての判断ミスが医師としてのキャリアに大きな影響を与えることもあります。

関連記事:クリニック開業資金はいくら必要?内訳や診療科別の資金傾向を紹介

収入が不安定になる可能性がある

開業医の収入は、患者数や診療報酬に直接影響を受けるため、勤務医と比べて不安定になる可能性があります。開業初期は特に患者数が安定せず、想定していた収入を得られないケースも少なくありません。

また競合クリニックの出現や診療報酬改定による減収、感染症の影響による受診控えなど、外部要因による収入減少のリスクも常に存在します。勤務医のような安定した給与保証はなく、借入金の返済や固定費の支払いは収入に関わらず発生するため、資金繰りの管理も重要な課題です。

経営業務の負担が大きい

開業医は医師としての診療業務に加えて、経営者としてのさまざまな業務をこなす必要があります。

スタッフの採用・教育、労務管理、給与計算、レセプト管理、会計処理、税務申告など、医療以外の業務に多くの時間を割かなければなりません。特にスタッフマネジメントは大きな負担となり、優秀なスタッフの確保や人間関係のトラブル対応、急な退職への対応なども開業医の仕事です。

患者様からのクレーム対応も自ら行う必要があり、本来やりたかった医療に専念できない状況に陥ることもあります。

まとめ

開業医は、医師としての診療業務と経営者としての役割を両立させる働き方です。働き方の自由度が高く、努力次第で高収入も期待でき、定年がなく働き続けられるという大きなメリットがあります。

一方で、収入の不安定さ、経営リスクと責任、経営業務の負担など、さまざまなデメリットも存在します。開業を検討する際は、これらのメリット・デメリットを十分に理解し、自身の価値観やライフプランと照らし合わせて判断することが重要です。

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