クリニックを開業する際、どこの内装会社を選べばよいのか、内装費用はどのくらいかかるのか分からないといったお悩みを抱える医師は多くいらっしゃいます。よく言われている内装の坪単価はあまり参考にならず、内装工事の見通しを立てづらいとお悩みの方も少なくありません。
この記事では、クリニック内装の費用・坪単価相場を紹介します。コストダウンの具体的な方法についても解説しますので、クリニックの内装工事を検討中の方はぜひ最後までお読みください。
クリニック内装工事の坪単価目安は65万円~
クリニック内装工事の坪単価目安は、65万円からが現実的なラインといえるでしょう。もちろん、これはあくまで標準的な仕様を前提とした場合の目安であり、物件の状態、診療科目や導入する医療機器、デザインをどこまで入れるかなどによって大きく変動します。
インターネット上では「坪単価30万円~50万円」といった低価格帯の情報も見受けられますが、こうした金額は最低限の仕様や部分的な改修(あるいは設備費用を含まないケース)である可能性が高いため、開業に必要な全体工事を想定した場合にはより慎重な検討が必要です。
費用が安いところで契約をした結果、追加費用が発生したり、法令基準を満たせず再工事が必要になるリスクもあるため、表面的な金額だけで判断せず、信頼できる業者に詳細な見積もりを依頼し、しっかりと説明を受けることが重要です。
クリニックの内装費用・坪単価の内訳
クリニックの内装費用や坪単価は、設計・デザイン費、内装・設備工事費、そして設備機器購入費という大きく3つの要素に分かれています。ここからは、各費用項目について解説します。
設計・デザイン費
設計・デザイン費は、クリニックの内装計画において最初に発生する費用です。
クリニックのコンセプトや診療方針、患者様の動線、スタッフの働きやすさなどを反映させるためには、専門の建築士やインテリアデザイナーによる設計が不可欠です。設計・デザイン費は、内装工事全体の10~15%程度が一般的とされています。
内装・設備工事費
内装・設備工事費は、クリニックの空間そのものを形作るための費用であり、全体の中でも最も大きな割合を占めます。
具体的には、壁や床、天井の形成、空調換気や電気、照明、水道、ガスといったインフラ設備の設置、造作家具や建具の設置、内装仕上げ工事、さらには防災設備やバリアフリー対応工事など、物件の特性や診療内容、理想とする動線やデザインの方向性によって様々な項目が挙げられます。
内装・設備工事費は、内装費用総額の65~80%程度が目安となります。
設備機器・備品購入費
設備機器・備品購入費は、クリニックの運営に必要な医療機器や家具、消耗品などを揃えるための費用です。診察台や医療用椅子、各種検査機器、待合室のソファ、スタッフルームの収納家具など、クリニックの規模や診療内容によって必要なものは大きく異なります。
一般的には、設備機器・備品購入費は内装費用総額の10~20%程度を占めるとされています。
診療科目別クリニック内装の費用相場
クリニックの内装費用は、診療科目ごとに必要な設備や空間設計が異なるため、坪単価や総額に差が生じます。
診療科 | 坪単価 |
内科 | 65~90万円 |
皮膚科 | 65~80万円 |
整形外科 | 65~90万円 |
眼科 | 65~85万円 |
耳鼻咽喉科 | 65~80万円 |
泌尿器科 | 65~80万円 |
産婦人科 | 65~100万円 |
歯科 | 75~100万円 |
このように、診療科目によって内装費用の相場は大きく異なります。例えば、整形外科や産婦人科、歯科などは手術室や特殊な検査設備が必要となるため、坪単価・総額ともに高額になりやすい傾向です。
クリニックの内装費用を抑えるコツ
限られた予算の中で理想のクリニックを実現するためには、費用を抑えるための工夫や選択肢を知っておくことが大切です。ここでは、クリニックの内装費用を抑えるコツを紹介します。
居抜き物件を活用する
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装や設備がそのまま残されている物件のことです。
前テナントがクリニックであった場合、医療用の配管や電気設備、診察室や待合室のレイアウトなど、医療施設として必要な基本的な仕様がすでに整っていることが多いため、ゼロから内装工事を行う必要がなく、必要最低限の改修や設備追加のみで開業できるケースが多くなります。
上記のように診療科目、コンセプト、レイアウト、必要な部屋数、スタッフ導線、デザインの方向性などの条件が合っていればコストを削減できるでしょう。ただし、条件によっては逆にコスト増につながる可能性があるため、居抜き物件が必ずしもコストダウンに効果的とは限りません。
居抜き物件に限らず、物件を選ぶ際は内装業者と一緒に現地を見て、何に費用がかかりそうか見てもらうことが重要です。
複数業者から相見積もりを取る
内装工事の費用を抑えるためには、複数の業者から相見積もりを取ることが欠かせません。相見積もりとは、同じ条件で複数の業者に見積もりを依頼し、価格や提案内容を比較検討する方法です。
相見積もりを取ることで各業者の費用構成やサービス内容の違いが明確になり、適正価格での発注が可能となります。特にクリニックの内装工事は専門性が高く、業者によって得意分野やコスト構造が異なるため、相見積もりを通じて自院に最適な業者を選ぶことができます。
見積もりを依頼する際は、希望する内装のイメージや必要な設備、予算の上限などを明確に伝えるようにしましょう。
設計・デザインから施工まで一括対応できる業者を選ぶ
設計やデザイン、施工を一括で対応できる業者を選ぶことも、内装費用のコストダウンに大きく寄与します。
設計と施工を別々の会社に依頼した場合、それぞれに手数料や管理費が発生し、全体のコストが膨らみやすくなり、それぞれの会社と契約や連絡、やり取りをする手間もかかります。一方で、設計から施工までを一貫して請け負う業者であれば、設計料が無料または割引になるケースも多く、工期の短縮や意思疎通のスムーズさといったメリットも得られます。
そのほか、デザイン・設計から施工まで一括対応できる業者を選ぶことは以下のような利点があります。
費用や工期の見通しが立てやすくなる
万が一トラブルが発生した場合も一貫した責任体制のもとで迅速に対応してもらえる
設計と施工の連携がスムーズに進むため、設計意図が現場に正確に伝わりやすく、細かな修正や変更にも柔軟に対応できる
デザインや品質の統一感が保たれやすく、クリニックのブランディングやイメージ戦略にも効果的
まとめ
クリニックの内装費用は診療科目や物件の状態、設計内容やデザイン性によって大きく変動しますが、一般的な坪単価の目安は65万円からです。
特に手術室や特殊な検査設備が必要な診療科目では、坪単価や総額が高くなる傾向がありますが、居抜き物件の活用や複数業者からの相見積もり、設計から施工まで一括対応可能な業者の選定などを行うことでコストダウンを実現することが可能となります。REWONDERでは、コストダウンをするための様々なノウハウを持っており、今まで多くのドクターに支持されてまいりました。
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