REWONDEr

コラム

クリニックの診察室におけるレイアウト・内装のポイントを解説

目次

クリニックの診察室では、患者様の不安を和らげ緊張させない空間作りと同時に、医師とスタッフが効率的に診療を行える設計が求められます。

本記事では、クリニック診察室のレイアウトや内装デザインのポイントを詳しく解説します。これからクリニックの開業を検討している方や、診察室の改装を考えている方はぜひ最後までご覧ください。

クリニックの診察室におけるレイアウトのポイント

診察室のレイアウトは、患者様の緊張を和らげ、自身の症状を医師に伝えやすいこと。また、医療スタッフが効率よく医療を提供できるレイアウトが重要です。ここでは、効率的な診療を実現し、患者様の満足度向上につながるレイアウトのポイントを詳しく見ていきましょう。

適切な広さを確保する

クリニックの診察室の広さは診療科目によって大きく異なるため、各科目の診療内容に応じた広さを確保することが重要です。

例として、小児科、整形外科、精神科・心療内科のプランニングをみてみましょう。



▲小児科 診療ゾーンのプランニング例


小児科の場合、付き添いの親と子供の2名での受診を想定して設計を行います。上記の例では親が子供の横で座れるベンチを設置し、子供が安心して診察を受けられる空間を確保しています。

また小児科では稀にベビーカーで診察室に入室する場合もあるため、入口ドアを自閉式にするか検討が必要です。ベビーカーを押して入室する際、扉の自閉機能が障害になってしまうこともあるためです。

POINT

  • 子供の意識をモニターに向けることで、緊張を和らげる。
  • 親御さんから正確な症状を確認する。



▲整形外科 診療ゾーンのプランニング例


整形外科は松葉杖や車椅子を使用する患者様が多いため、診察室の大きさを十分確保しましょう。上記の例では幅2500mm、奥行き3100mmの7.75㎡の面積を確保しています。

POINT

  • 整形外科では、診察室の大きさを十分確保する。(※シュライバーがいる場合は、診察室の奥行きが必要となります。)
  • 整形外科では、患者様の脱ぎ着があるため入口扉前にカーテンを設置する。(※カーテンは診察台周りにも配置することがあります。)



▲精神科・心療内科 診療ゾーンのプランニング例


精神科・心療内科は診察台が不要なため、一般的な診察室より小さめでも十分な診療が可能です。上記の例では、診察室1(5.45㎡)、診察室2(5.34㎡)、診察室3(4.93㎡)と、それぞれ5㎡前後のコンパクトな診察室を複数設けています。

精神科・心療内科は患者様と向き合って診療を行うケースが多いため、診察室の奥行きを確保しましょう。

しかし、特に都市部では広い面積を確保することが難しいケースも少なくありません。そのような場合は、限られたスペースの中で診療科目の特性に応じた効率的なレイアウトを工夫することが重要です。診療科目別の適切な広さや配置については、実績のある内装設計会社の知見を参考にすることをおすすめします。

POINT

  • 声が外に漏れにくいよう、防音ドアを設置する。(※防音ドアを設置することで、機密性が高くなります。そのため声が響くことを防ぐために、天井に岩綿吸音盤を貼ります。)
  • 有事の際に隣室避難ができる様に横移動の扉を設ける。
  • 音漏れを少なくするため壁の中にグラスウールを充填する。
  • 精神科・心療内科は患者様と向き合って診察を行うケースが多いため、診察室の奥行きが必要。

患者とスタッフの動線を分ける工夫をする

診察室における動線設計の基本は、患者様とスタッフの動線を明確に分けることです。

多くのクリニックでは、診察室の裏に準備室を設けることで、スタッフが患者様と交わることなく効率的に動ける設計を採用しています。例えば、診察室と準備室をカーテンでつなぎ、スタッフは診察室の奥を横に動くだけで必要な器具や薬剤を取りに行けるようにすれば、患者様の前を何度も横切ることなくスムーズな診療が可能になります。



▲準備室の例


参考事例:おぎくぼ小児科

プライバシーに配慮したレイアウト設計を行う

診察室のプライバシー保護は、患者様が安心して診療を受けるために欠かせない要素です。

音漏れ対策としては、壁内にグラスウールなどの防音材・吸音材を施工し、診察内容が外部に聞こえないよう配慮します。扉については、遮音性能の高い建具を採用することで、廊下や隣室への音漏れを防ぎます。

クリニックの診察室における内装のポイント

診察室の内装は、患者様に対する印象を決める重要な要素です。清潔感があり、安心できる空間づくりのために、内装設計においては以下のポイントに注目しましょう。

耐久性と清掃のしやすさに配慮した内装材を選定する

クリニックの診察室は、耐久性と清掃のしやすさを最優先に内装材を選定しましょう。

床材には、耐薬品性が高く清掃しやすい長尺シートを使用します。壁材にはメラミン化粧板など、薬品に強く拭き掃除が簡単な素材を選びましょう。

壁紙を使用する場合も、汚れにくく耐久性の高いものを選択します。診察室は頻繁に改装することが難しいため、初期段階で抗菌仕様の素材を選ぶことで、長期的な衛生管理の負担を軽減できます。

患者の不安を和らげる色彩を採用する

診察室では、患者様の不安を和らげる環境づくりが大切です。「緊張させない空間」を目指すことが診察室設計の基本となります。

壁や天井の色は、清潔感のある白や淡いベージュを基調としつつ、診療科目の特性に応じて部分的にアクセントカラーを取り入れると良いでしょう。特に小児科では、明るい色彩やキャラクターを使用することで、子供の恐怖心を和らげることができます。





参考事例:おぎくぼ小児科

診療科目に合わせた内装デザインを考える

クリニックでは、診療科目によって患者層や診療内容が異なるため、それに合わせた内装デザインの工夫が必要です。以下に主な診療科目別の内装ポイントを紹介します。

内科

  • 落ち着いた色調やシンプルなデザインを使い、幅広い年齢層が安心できる雰囲気をつくる

  • バリアフリー対応を徹底し、高齢者や体の不自由な人が移動しやすくする

  • 受付カウンターの高さは子供から高齢者まで対応できる設計とする

小児科

  • 明るい色やイラストを取り入れて、子どもが楽しく過ごせる空間を演出する

  • 子供の目線(約90cm)の高さにキャラクターなどを配置し、診察室まで視線を誘導

  • 角を丸くした家具を使い、ケガのリスクを減らす

整形外科・リハビリ科

  • 滑りにくく衝撃を吸収する床材を選ぶ

  • 壁面に手すりを設置する

  • 壁には耐久性の高い素材を使用し、車いすなどによる接触での傷を防ぐ

  • 重量のあるリハビリ機器を設置するため、床の補強が重要

婦人科・産科

  • 温かみのある色ややわらかい素材を使い、女性がリラックスできる空間をつくる

  • エコー画像などを表示するモニターは、患者様と医師の双方が見やすい位置に設置する

  • プライバシーに配慮した間仕切りやカーテンを設けて、安心感を高める

美容外科・美容皮膚科

  • 高級感のある素材や照明を使い、特別感や清潔感を演出する

  • 個室化や遮音性の向上で、プライバシーを徹底的に守る

心療内科・精神科

  • 刺激の少ない落ち着いた色調と、リラックスできる雰囲気づくりを意識する

  • 防音性能を高め、プライバシーを徹底的に保護する

まとめ

クリニックの診察室は、患者様と医師の双方にとって重要な空間です。最適なレイアウトと内装デザインを実現することで、患者様の満足度向上と医療スタッフの業務効率化の両立が可能になります。

医院開業を検討されている方は、内装業界28年・医療施設内装のプロであるREWONDERにご相談ください。REWONDERは、医療施設内装の豊富な実績と専門知識を活かし、診療科目ごとに最適なオペレーションや収益化を意識した設計・デザインをご提案します。

物件調査や交渉、設計・施工、家具や備品の選定、ロゴデザイン、さらには開業後のアフターフォローまで、ワンストップでのサポートが可能です。

  • 医療施設内装の豊富な実績から知見専門分野ならではのさまざまなご提案が可能

  • 仲介会社を挟まず、ドクターと100%直接お取り引き

  • 全国どこでも設計・施工が可能

REWONDERの事例紹介ページはこちらから

REWONDERへの資料請求はこちらから

REWONDERへのお問い合わせはこちらから



RELATED TOPICS